新品の革靴なのに手入れが必要なの?
履き下ろす前にどんな手入れをしておけばいい?
わかりやすく教えてほしいな。
そんなお悩みにお答えします。
新品の革靴を購入したときにすぐに履きおろしてしまうのはちょっと待ってください。
「新品の革靴なのにお手入れが必要なの?」と思われるかもしれませんが、革靴を長くきれいに履くためには始めのお手入れが重要です。
この記事では、新品の革靴にお手入れが必要な理由、具体的なお手入れ方法、必要な道具について詳しく紹介しています。
新品の革靴のときだけにできる履き下ろす前にしておきたいことも解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
新品の革靴に手入れが必要な理由とは
購入したばかりの革靴は、乾燥しきっています。
革靴は「製造」→「保管」→「運搬」→「販売」とこれだけの工程と期間を経て商品棚に陳列しているのはご存知ですね。
その間に革の状態はどんどん乾燥が進み、購入する頃には乾燥しきった状態になっています。
その乾燥した状態で履き始めてしまうと、「ひび割れ」や「シミ」の大きな原因になってしまいます。
なので履き下ろす前にしっかりと栄養を入れて保湿しておくことが、革靴を長持ちさせるためにとても重要です。
履き下ろす前に必ずやっておきたい4つの手順
それでは簡単にできる、手入れの4つの方法を紹介します。
1.シューツリーを入れて、靴紐を外す
まずはじめに、シューキーパーを必ず装着します。
革靴の形を整え、シワを伸ばすことでムラなくきれいにお手入れをすることができます。
お手入れ時以外にも、履いていない間は装着しっぱなしでOKなので必ず持っておきましょう。
シューキーパーのおすすめが知りたい方はこちらを参考にどうぞ。
次に靴紐を外して靴をリラックスさせます。
写真の靴のような外羽根であれば、全部外したほうが作業がしやすいのでおすすめです。
内羽根の場合は、付け外しが大変なので一番下だけ付けたままにしておきましょう。
2.馬毛ブラシでゴミやチリを落とす
馬毛ブラシでブラッシングしましょう。
靴の表面についているゴミやチリを取り除くことが目的なので、力強さはいりません。
新品の靴でもホコリはついているので、軽めでいいので取り除いておく必要があります。
靴紐を通すホール部分やコバ付近のゴミを特にしっかりと取り除いておくことがポイントです。
3.リムーバーで汚れ落とし
靴磨きで一番重要とされている「汚れ落とし」の工程です。
指に巻き付けた布にリムーバーを1円玉サイズに湿らせて、革靴全体を拭き上げていきます。
4.乳化製クリームで栄養補給
次に革靴に潤いを与える工程です。
乳化製クリームを使って革を保湿してきます。
今回は、初心者の方でも扱いやすいどの色の革靴にも使用できるニュートラル(無色)の乳化製クリームを使用していきます。
クリームを取る量は、ペネトレイトブラシの先をほんの少しクリームに付けて90度くらいひねる程度でOKです。
指ではなく、ペネトレイトブラシを使用することで細かい部分まで保湿することが出来るので、使用することをおすすめします。
クリームを取ったペネトレイトブラシで革靴の数カ所(僕は7箇所)にクリームを置いていきます。
それからペネトレイトブラシを使って革靴全体に塗り拡げていきましょう。
そうすることで、靴全体にむらなくクリームを馴染ませることができます。
全体にクリームを塗布することができれば、次に豚毛ブラシ(化繊ブラシでもOK)で革靴全体をブラッシングしていきます。
このときは力強くブラッシングしてください。
摩擦熱でクリームが浸透しやすくなることと、豚毛の強いコシで細かい箇所までクリームを浸透させることが最大の目的です。
この工程で栄養をしっかりと革に浸透させておくことで、乾燥から防ぎ、保湿する効果が高まります。
全体にブラッシングが終わったら、指に巻き付けた布で余分なクリームを拭き取っていきます。
革靴全体を優しく磨き上げていくと、色に深みと輝きが出てきたことが実感できます。
磨き上げ終了。
色艶ともに良いですね!
目で見てもわかりますが、革を触ってみると「もちっ」とした感触に変わりました。
最後に靴紐を通して完成です。
靴紐の通し方は「パラレル」をおすすめします。
伸縮性・ホールド感に優れており、長時間歩いても疲れにくい結び方なのでビジネスマンには特にベストな結び方といえます。
新品の革靴にしておきたい3つのお手入れ
これから紹介する3つのお手入れは、必ずやっておかなければならないお手入れではありません。
先程紹介した4つの手順の後に、お好みで加えてみて下さい。
油性ワックスでハイシャイン
つま先やかかとに油性ワックスでコーティングすることで美しい輝きを与え、革を保護する効果があります。
油性ワックスを使用したハイシャインは初心者には少しハードルが高いですが、挑戦してみるのもいいですね。
革靴全体に塗ってしまうと、ひび割れの原因になるので使用する際は注意しておきましょう。
シワ入れ
新品の革靴ならではのお手入れで、一度履いてシワが入ってしまうと消すことができないため、履き下ろす前にしかできません。
手順は3ステップで簡単です。
1.”必ずやっておきたい4つの手順”を終えた後に、靴下を2〜3重に履いた状態で革靴を履きます。
2.その状態で10〜15分ほどじっとして靴を温めます。
3.最後に、シワが入って欲しい箇所にペンを押し当てながらかかとを浮かせてシワを作っています。
始めから上手くシワを入れるのは難しいですが、好みの箇所にシワが入るとは着心地がぐっと良くなります。
防水スプレー
防水スプレーを吹き付けておくだけで、靴に汚れがつきにくくなり、汚れがついていてもさっと落ちやすくなります。
その反面、革靴内の湿気が外に出にくくなりムレの原因になるとも言われています。
お好みで防水スプレーを使用しましょう。
使用するタイミングは、”必ずやっておきたい4つの手順”を終えた後に最後に吹き付けて乾燥させたら、必ず布で拭き上げます。
今回のお手入れに使用した商品
今回のお手入れに使用した道具を紹介していきます。
新品の革靴だけでなく、今後も1ヶ月毎のお手入れに必ず使うので、この機会に揃えておくことをおすすめします。
ネット・東急ハンズ・ロフトなどで安く手に入るものばかりなのでチェックしてみて下さい。
シューキーパー
スレイプニルのシューツリーが既製品の中ではダントツでおすすめです。安いものもたくさんシューツリーを試してみましたがサイズや形がいまいち。。。結局お気に入りの靴にはこれを装着しています。(笑)
馬毛ブラシ
馬毛ブラシはホコリを落とす作業に使います。馬毛は柔らかくしなりのある毛質なので、細かい箇所のホコリまでしっかりと取り除いてくれるものを選びましょう。コロニルのブラシであればサイズ感もちょうど良く、使いやすくておすすめです。
リムーバー
革靴の汚れ落としに使用するリムーバーでもっともポピュラーなエムモウブレイの商品です。プロも使っている商品なので安心して使用できます。大きなサイズのものもありますが、まずは60mlサイズで1年間以上は持つので試してみてください。
布(ネル生地)
このネル生地は厚みがしっかりとあってきめ細かく高品質です。靴メーカーが販売している生地は高いので、1mカットのネル生地を使いやすい大きさにカットして使用しています。布は洗濯して使い回せないので消耗品なので注意しましょう。
乳化製クリーム
今回は、初心者の方でも失敗しないためにニュートラル(無色)のクリームを使用しました。エムモウブレイの商品は伸びもツヤ感も良くとても使いやすい商品です。慣れてきたら靴の色によってお好みのクリームを試してみるのも楽しいですね。
ペネトレイトブラシ
ペネトレイトブラシは乳化製クリームを塗布する際にしようします。指で塗布するよりも細かい箇所まで届くのでムラなくお手入れできます。クリームの色(靴の色)によってペネトレイトブラシが必要なので数本持っておく必要があります。
豚毛ブラシ
豚毛ブラシはコロンブスの国産の豚毛ブラシを使用しています。コシがしっかりとあるので力強いブラッシングをしてもへたらないのでクリームを浸透させるのに大活躍してくれます。豚毛ブラシもクリームの色(靴の色)によって使い分ける必要があるので、数本持っておきましょう。
油性ワックス
今回使用はしていませんが、ハイシャインに興味のある方にはKIWIの油性ワックスをおすすめします。1000円未満で手に入り、扱いやすさ・ツヤ効果が高いと人気の商品です。購入してすぐに使用するよりも、1週間程度フタを開けて乾燥させるのがコツです。
防水スプレー
コロンブスから出ている衣類や雨具、スニーカーや革靴に使用できるスグレモノ。スプレーを塗布してから放置しないこと。乾燥させたら布で拭き上げて完成です。効果も見た目もよりきれいに仕上がりますよ。
まとめ
今回は、新品の革靴にお手入れが必要な理由、お手入れ方法、必要な道具について詳しく紹介してきました。
早く履いてしまいたい気持ちを抑えて、しっかりとお手入れしておきましょう。
結果的にきれいな状態で、寿命が長くなることに繋がります。
しっかりと手入れされて、履き込まれた革靴にはあなただけの味がどんどん出てきます。
革靴ならではの特別な一足を楽しみましょう。